今回は、音楽のことから少し離れて、息子を通して経験している子育てについてです。
日本でも、褒めて育てる教育、「親はできるだけ口を出さない」など取り上げられています。オランダでの自由教育も、自由自由で育てられると、コロナ渦での暴動のように、何でも反対して暴動、それも自由の一環となってしまうのか、自制のできるオランダ人は少ないのか、いろいろ考えてしまいます。
息子はオランダでモンテッソーリの小学校に通っています。低学年のグループ1から始まり、現在グループ3に在籍しています。6歳からは、日本語補習校に入学したので月曜日~金曜日までがモンテッソーリ校、土曜日は日本語補習校に通っています。
グループ1~2は6歳まで、日本でいう年長と小1の年齢です。この期間は、遊びが中心で少しずつ勉強する姿勢を身に付けていきます。ノート、鉛筆まで学校から貸し出されているので、コロナでオンラインになるまでは、何を勉強しているのかわからなかったです。オランダ語に関しても、筆記体を練習しているのは知っていましたが、他は、学校任せにしていました。
モンテッソーリ教育は、自由な反面、教科書を使わないので何をやっているかわからない、たまにある個人面談で先生から息子の毎日の状況を聞く、授業参観は全くナシ、宿題もナシです。日本のような入学式など無いので、息子が通って3年になりますが、よく考えたら校長先生に会う機会もなく、姿を見たことがありません。お便りでは校長先生のお名前を見聞きしていますが、これも不思議な感じです。
グループ3に入るまでに、担任の先生との個人面談の内容が3回とも同じ内容だったので、このままで大丈夫かどうか不安になりました。先生に、モンテッソーリ教育について教えて下さい、と尋ねても学校のHPにあるモンテッソーリ教育を読んでください、とだけで終わりました。学校HPに記載されたモンテッソーリ教育の説明は、このように書かれています。
①子供の才能と興味をあらゆる方向に伸ばす
②楽しく勉強をする、仲間と一緒に体験する
③自発的に勉強の計画を立てる
④子供が何をしたいのか、を優先する
⑤何年にも渡って、子供が自ら成長し続けていく
ちなみに、アムステルダムだけでもモンテッソーリ校は20校以上もあります。学校に寄っても、先生に寄っても同じモンテッソーリでも大分違うことがわかりました。
そうこうしているうちに、夏休み後にクラス替えがあり、息子はグループ3に入りました。夏休みは一時帰国で日本にいたので、新学期早々遅れました。オランダでは治安が悪い為、小学校に入っても子供を一人で登校させてはいけません。そのため、毎朝、お弁当を作って学校まで送りに行くのも保護者の役目です。学校に着いて、運動着を忘れたことに気づきました。新しいクラス、新しい先生、新学期早々、数日遅れた上に運動着まで忘れて息子は泣き顔になってしまいました。
そこに新しい担任の先生がすぐに来てくれて「おはようございます!ああ、やっと学校に来れたのね。あなたの他にも、新学期に遅れてきた子たちはいるわよ。あなたが来たから、やっとクラス全員が今日で揃いました。
「先生と一緒に新しい教室に行ってみる?」と声を掛けて下さいました。しかも、息子に話しかけるために、しゃがんで話しかけてくれました。
(しゃがんで目線を合わせて先生が話しかけてくれること=日本では当然かもしれませんが、オランダ人にはなかなかこのような気遣いは見られず、それを自然にしていた新しい担任の先生に感激しました。)
新しい先生のこの一言で、どれだけ救われた気分になれたのか、8年も教えているキャリアのある先生で、何を訊いても答えが歴然としています。
オランダでは大人しい性格は必ずしもポジティブには受け取られません。
モンテッソーリ教育では、将来の社会的行動のために色のついた帽子を被ってグループ活動をする練習をしている。
グループ行動をしなければならないから、いつも一緒に・・という日本的な考えはモンテッソーリ教育では全く必要ないのも安心しました。
またこの小さな年齢から、社会的なグループ行動の教育をしていることも驚きました。