ドイツ留学時代にお世話になったDAAD(ドイツ学術協会)からお便りがあり、AIについてのお話を聞くことができました。私は音楽専門なので、理解できるお話だけを聞いていたんですが、中でも、京都大学の教授、鈴木晶子先生のお話が為になりました。
私にとってAIは、まだ未知数ですが、スマホの存在は無視することが出来なくなりました。
スマホを使い始めてから、忘れやすくなったことがあるのは、携帯を使っている人の多くが気付いていると思います。手軽に何でも検索できるようになり、オランダにいても、留学時代に使っていた辞書もほとんど活躍しなくなってしまいました。
鈴木教授の「身体の中にしみこませる」という表現がとても良かったので、私なりの解釈でご説明します。
携帯であれもこれも検索できて、好きな音楽も聴けるようになり、AIの出現で知らず知らずのうちに出現される画面で私達の脳は、必要無い情報もインプットされています。
「実体験」がスマホの出現により変わってきました。
ですが、実体験ほど脳に伝わるものはないです。
音楽のレッスンでなくとも、野球やサッカー、人との交流、対戦、練習で実体験を重ねていくことが、スマホの画面からの情報よりいかに記憶に残るか・・
スマホの検索で出た言葉は記憶しないそうで、記憶をしないと思い出すこともないそうです。
音楽のレッスンでは、音を聞く、楽譜を読む、アンサンブルで一緒に演奏する、コンサートに向けて練習する=演奏技術を身体にしみ込ませる・・・そして音楽を自分の中で熟成していく、これは人間にしか出来ないことで、練習のプロセスが脳に伝わる理解となり、とても重要です。コロナ渦で余計に人との距離が出て来てしまいましたが、日常に実体験を増やしていけると良いですね。