早いもので息子も4歳になりました。オランダでは4歳から学校に通います。
日本でも将棋の藤井聡太くんの活躍でモンテッソーリ教育に着眼する教育熱心な親御さんが増えてきました。藤井将棋棋士の情報を交えながら、モンテッソーリ教育のご紹介をしたいと思います。
藤井将棋棋士は(愛知県瀬戶市)に入園した。同園では子どもの感性や自発性を尊重する「モンテッソーリ教育」を取り入れていた。5つの領域からなるたくさんの教具の中から子どもは自分で選び、大きさの異なるブロックを順に積み上げたり、教具に内在する法則を理解して活動する。幼児期にモンテッソーリ教育を受けた人の中からは、米マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏、アマゾンの創設者ジェフ・ベゾス氏らユニークな人々が生まれている。ITの世界で天才と呼ばれる彼らは世界に革命的な変化をもたらした。

日本は6歳から義務教育が始まり、小学校に入学しますが、オランダは4歳から入学します(4歳から登校、義務教育は5歳から)
しかも、日本のように一斉に4月から始まるシステムはなく、4歳のお誕生日をきっかけに入学することになります。入学といっても、このように一人ひとりの入学のタイミングが異なる為、入学式はありません。モンテッソーリ教育では、縦教育という、年齢の異なる子供と同じクラスになることを聞いていましたが、息子の場合は新しいクラスと新任の若い先生の為、全員が4歳でした。そしてプリスクールのお友達も何人かいました。この点は、とても助かりました。

この入学準備のために、モンテッソーリ教育のプリスクールを2歳半から始めていました。このプリスクールでは、朝の挨拶、曜日、時間、季節などを歌を通して学びます。またトイレトレーニングも4歳までに終了しないとならないので、先生と一緒に練習しました。託児所とは違い、2歳半でも先生は先生の位置にいることを示します。子供から先に言わないと先生は動いてくれないため何度もお漏らしをしました。母親の立場からすると、冷たいな・・ と思いましたが、このくらい本気でないと4歳のスクールに間に合わないかもしれないと、こちらも心構えを変えて回数を増やし、週4回プリスクールに通い準備に励みました。

こういうシステムの為、オランダでは、生後半年くらいで子供の学校を決めなくてはならないのです。最初の小学校にあたるスクールは4歳から12歳までです。
これは、現在住んでいるオランダの国のシステムなので、私達はこの方法に従い4歳の入学に焦点を合わせましたが、隣人は「アンスクール」という子供を学校に通わせない方針にしました。日本人としては「アンスクール」という選択肢にまで考えが及ばず、初めて聞いたときは驚きました。有名なところでは、アンジェリーナ・ジョリーの子供達が「アンスクール」で教育されています。私の周りにも「子供が突然学校で喋らなくなった」という不安を抱えているママや、日本でも問題視されている「引きこもり」や「不登校」は、アンスクールの子には起こらないのかもしれない、とも考えたりします。
また、こういった早期に子供の将来の道を作ってしまうシステムが良いのかどうかも疑問です。日本では受験が大変だと聞いていますが、システムとしては遅い時期に将来の道を変更することも出来て、大器晩成型の子供には日本のシステムの方が良いのではないかとも思います。
モンテッソーリ教育のプリスクールも、2歳半から「自立」を早くから強要されるようで、引っ込み思案な息子に合っているのかどうかもわからず、不安でした。
モンテッソーリ学校以外にも、他の小学校も下見しました。本当にそれぞれでした。
我が家の一番近くにある小学校は「8歳からiPadを教科書替わりにする」という方針で黒板も無しに、スクリーンに映しだされる映像で教える未来教室のようでした。でも、こういう時代、スマホ世代だからこそ、木でできた玩具や、絵本で読み聞かせ、絵具を使って絵を描いたり、幼児の才能を伸ばせるようなモンテッソーリ教育が良いなと思いました。
息子が3歳の時に、プリスクールで「森の教室」がありました。森の入り口で待ち合わせをして遠足をしました。
先生が鏡で虫を見せたり、木の名前を説明したり、子供たちはみんな赤い帽子を被って小人達のようでした。4歳の入学後では、子供達がそれぞれの植木を持ってきて育てることを学びます。
まだ始まって間もないので、今後、小学校でどのようなことを勉強するのか、私も息子と一緒に学んでいきたいと思います。

ブラームス協会 海外通信2019年 寄稿